生爪について
生爪関連用語集
生爪
チャックに取り付けてワークを把握して固定する爪の中で、焼き入れが入っておらず成型が可能な生材の爪。
ワークに合わせた成形ができるため、精度の高い加工を行うことができるのが特徴。
標準生爪
チャックを購入するとセットで付いてくる生爪。一番高さの低い生爪が標準となる。
高爪
標準生爪より高い生爪・硬爪のこと。「コウ爪」と言われて硬爪の場合もあるので注意が必要。
小径用生爪
標準生爪より小さいワークを掴めるように、全長を長く、先端を細くしてある生爪。
山取り・面取り
爪の角が削ってあること。
山取無し・面取無し
生爪の角が削られておらず、四角形状。
セレーションピッチ
油圧チャック用・パワーチャック用の生爪にある、ギザギザの事。P1.5・P3.0のミリセレーションと、1/16"x90°・3/32"x90°のインチセレーションなどがあります。
Tナット
チャックに生爪を取り付ける時の相手側のナット。キャップボルトで生爪を固定する。断面がT型している。
ジョーナット
Tナットの別名称。
Tスロットナット
クランピングツールの分野での商品。マシニングや治具を取り付ける際に使用する。Tナットと混同する人が多いので注意。
マスタージョー
油圧・エアーチャック用。生爪がこの上に乗る。マスタージョーにTナットを差し込んで、生爪とTナットをキャップボルトで固定する。
ソフトジョー
生爪の英語版
内爪・外爪
硬爪。階段形状(大体3段)で把握する向きで内爪・外爪と区別して呼ぶ。「一体爪」でもこの呼び方が使われる。
インナージョー
内爪の英語版。
アウタージョー
外爪の英語版。
硬爪(カタヅメ)
ワークを把握する爪だが、生爪とは異なり、焼き入れが入っていて成形ができない硬い爪。
成形ができないため、精度の高い加工には不向きで主に荒加工用として使用されることが多い。
上爪
硬爪の別名称だが、生爪でこの呼び方をする人もいる。
下爪(台爪)
生爪や硬爪が乗っかる相手側の台(ナット)、主にスクロールチャックで使われる。
一体爪
スクロールチャックで生爪や硬爪(内爪・外爪)と、下爪(台爪)が合体した爪。硬爪では把握する向きにより内爪・外爪と区別して呼ぶ。見分け方は取り付け穴(通常は2箇所)が無く、底に特殊なネジ(スクロールネジ)がある。
分割爪
一体爪の反対語。生爪・硬爪と下爪・台爪が別々で交換できる。スクロールチャックで使われる用語。
円形生爪
別名称で、扇形生爪・パイ型生爪とも呼ばれている。円を3分割した爪。
ボルト芯間
生爪の2つのボルト穴の中心距離。別な呼び名として、ボルトピッチ、ボルト穴ピッチ、ボルト穴芯間、穴ピッチ、BP、などといった呼び方をされます。
ピッチ
ボルト芯間のことか、セレーションピッチのことか確認が必要です。
親子爪
爪の上にさらに爪をボルト止めして使う爪の事。親爪と呼ばれる爪に、子爪と呼ばれる爪をボルト止めして使う。
チャックメーカー
旋盤に取り付けるチャックには各メーカーから様々な形状のものが出ており、ワークに合わせて選別することができる。
主なチャックメーカーには、北川鉄工所、豊和工業、松本機械工業、日鋼(日鋼プレシジョン)、帝国チャック(ソール)、小林鉄工(ビクター)、SMW-AUTOBLOK(SMW)などがある。
油圧チャック・パワーチャック
セレーションピッチのある生爪が取り付くスタンダードチャック。油圧もしくはエアーを利用して、爪を自動開閉し、ワーク(加工物)を掴みます。中実パワーチャックは、チャックの中心部に貫通穴がないもので、中空パワーチャックは、チャックの中心部が貫通穴になっています。 長物加工する際に中空チャックを使用します。精密チャックなどもあり、各チャックメーカーとも種類が多い。
スクロ-ルチャック
スクロール状(渦巻き)の溝を持つカムが内蔵されており、爪が同時に開閉するためワークを容易に中心に固定できる。
インディペンデントチャック
すべての爪が連動して動くスクロールチャックに対して、各爪が個別に動作するチャック装置。爪が独立に動作することで、円柱状でなワークも中心に取り付けることができる。
旋盤
円柱状の素材を回転させ、それに刃を当てて切削する工作機械で、旋削加工の代表的な旋盤加工を行う。
旋盤加工の種類
旋盤加工には、旋削加工の基本であり、ワークの外側を円柱状に旋削する外丸削り、先端に向けて細くなっていくように削っていくテーパー削り、ワークの端に穴をあけて、その穴を繰り広げるように旋削する中ぐり、外側に切り込みを入れる突切りなどがあります。
NC旋盤
旋盤に数値制御装置(Numerical Control)を取り付けたもので、台の移動距離や送り速度を数値によって指示できるようにしたもの。
手動で作業するのではなく、数値で指定して自動化することで、仕上がり精度のバラツキが減り、同品質のものを容易に加工できるようになっただけでなく、自動化により複数の機械を同時に運用でき、生産性も高くなります。
CNC旋盤
旋盤に取り付けられた数値制御装置をコンピュータによって制御するもの。CNCとはコンピューター
数値制御(ComputerNumerical Control)の頭文字をとったものです。
かつては、簡単な電子回路で制御していましたが、現在は、すべてのNC旋盤がコンピューター制御のものとなっているため、CNC旋盤とNC旋盤は同義となっています。
チャック装置
旋盤加工を行う際に、機械の主軸にセットしてワーク(加工対象物)を固定する工具の事。
チャックには爪がついており、その爪でワークを把握します。チャックには、いくつかの種類があり、ワークに合わせて使用します。
コレットチャック
旋盤・フライス盤などの工作機械で使用する、工具やワークを固定する筒状(コレット形状)のチャック。軸の中心から放射状に切込みを入れてワークを挿入し、外側から締付けることにより固定する。爪で挟むフィンガチャックに比べて大きな面積で把持するため、ワークの確実な固定ができ、ワークに加わる圧力が小さく傷も付きにくい。